ジュルー・ホリデー（Jrue Holiday）は、NBAでも屈指のオールラウンドプレイヤーであり、そのディフェンス力、リーダーシップ、そしてバスケットボールコート外での献身的な活動でも知られています。彼のプロフェッショナルなキャリアには数多くの栄光がありますが、その一方で、家族との強い絆や困難な状況を乗り越えた経験が、彼の人間性をより際立たせています。この記事では、ジュルー・ホリデーの生い立ち、キャリア、そして家族やプライベートの一面に焦点を当てつつ、彼の2024年NBA王者としての新たな功績も紹介します。
幼少期と家庭環境
ジュルー・ランドール・ホリデーは1990年6月12日、カリフォルニア州ロサンゼルスで誕生しました。 彼の家族はバスケットボール一家として知られ、父親のショーン・ホリデーも母親のトーニャ・ホリデーも元バスケットボール選手です。 「バスケットボール一家」として育っており、ジュルーには2人の弟（ジャスティンとアーロン）と1人の妹（ローレン）がいます。 特にジャスティンとアーロンもNBA選手として活躍しており、ホリデー兄弟はNBAの舞台でそれぞれの足跡を刻んでいます
彼の家庭環境は、バスケットボールへの情熱を育む非常に重要な役割を担っていました。 家族全員がスポーツに積極的であり、日常生活の中で自然と競争心や努力の大切さが身「家族と一緒にバスケットボールを楽しむことが、いつも僕の成長を支えてくれた」とジュルーは、その幼少期からの家庭の影響を強く感じています
高校時代のスター
ジュルーはカリフォルニア州のキャンベルホール高校に進学し、バスケットボールの才能を早くから発揮します。 高校時代には、その卓越したスキルでチームを率い
高校時代の逸話として、ジュルーはバスケットボールだけでなく、学業が優れていたことが挙げられます。チームメイトやコーチからも「バランスの取れた人物」として評価されており、当面バスケットボールだけ集中しているのではなく、学問や人間形成にも力を注いでいたといわれています。この頃から、ホリデーは「チームプレイヤー」としても認識され始め、チームメイトを支え、自分のプレーに誇りを持つ姿勢が形成されました。2008年には、「Gatorade年間最優秀選手」に選ばれ、全米トップレベルの高校生選手としての地位を確立しました。
UCLA時代とNBA
卒業後、ジュルーは名門UCLA（カリフォルニア大学ロサンゼルス校）に進学しました。大学1年生としてはわずか1シーズンだけプレーしましたが、その瞬間でのインパクトは絶大でした。ゲームコントロール能力は、すでにプロレベルと評価されており、2009年のNBAドラフトにアーリーエントリーを決定します。
フィラデルフィア・76ersがジュルーを指名した全体17位で指名したことで、彼のNBAキャリアが始まります。 プロ入り後すぐにそのディフェンス力とバスケットボールIQで評価され、ルーキー時代から重要な役割を果たしました76ersでは2013年にNBAオールスターにも選出されるなど、やはり実力を証明していきます。
ニューオーリンズ・ペリカンズとミルウォーキー・バックスでの成功
2013年、ホリデーはニューオーリンズ・ペリカンズへトレードされます。ここでは、彼のキャリアの大きな転機が訪れました。ペリカンズではリーダーシップを発揮し、やはりディフェンス面での貢献が際立ちます。ペリカンズでは、彼の守備力とリーダーシップが評価され、特に2018年のプレーオフでのパフォーマンスは圧巻でした。彼はリーグ屈指のディフェンダーとして名を馳せ、デイミアン・リラードを封じ込めるなど、チームの勝利に大きく貢献しました。
家族との絆と妻ローレンの病気
ホリデーのプライベートでも、彼の家族は大きな影響力を持っています。彼は2013年にUS女子サッカー代表選手のローレン・チェイニーと結婚しました。二人の間には娘がいますが、彼らの絆を強めた出来事が2016年に起こります。その年、ローレンが脳腫瘍と診断され、ジュルーはNBAシーズンを一時離れて妻の看病に専念することを決意しました。
彼はこの時期について「家族が最優先であり、バスケットボールは二の次だ」と語っており、実際にその言葉通りの行動を見せました。ローレンの治療は成功し、現在は回復していますが、この経験はジュルーの価値観や人間性に大きな影響を与え、彼をより一層家族思いの人物にしました。
ミルウォーキー・バックスでのチャンピオンシップ
2020年、ジュルーはミルウォーキー・バックスへトレードされ、ヤニス・アデトクンボやクリス・ミドルトンと共に強力なトリオを形成しました。バックスは2021年のNBAファイナルでフェニックス・サンズを破り、50年ぶりとなるNBAチャンピオンに輝きました。このシリーズでのジュルーのディフェンスは特筆すべきもので、特に第5戦でのクリス・ポールからのスティールと、その後のヤニスへのアリウープパスはファイナルの決定的瞬間となりました。この勝利により、ジュルーはついに念願のNBAチャンピオンの座に就き、彼のキャリアはさらに輝かしいものとなりました。この時の優勝は、ホリデー自身にとってもキャリアのハイライトとなり、彼はこの成功を「家族とチームメイトに感謝する」と語り、特に妻ローレンの支えが自分の力の源であると公言しています。
ボストン・セルティックスへの移籍と未来
2023年、ホリデーはボストン・セルティックスへトレードされました。この移籍は、セルティックスにとって非常に大きな意味を持ち、チームにリーダーシップとディフェンスの強化を実現して期待されています。セルティックスは優勝争いに常に絡むチームであり、ホリデーの経験と実力が組み合わされれば、再びNBAチャンピオンの座に手が届く可能性は高かったのです。
ホリデーはセルティックス移籍後のインタビューで、「新しい挑戦にワクワクしているし、ボストンとファンベースに貢献できることが楽しみだ」と語っています。 彼のディフェンス能力やゲームメイク力は、セルティックスにとって不可欠な要素となり、セルティックスは2024年度のレギュラーシーズン、プレイオフと他の追随を許さず圧倒的な力で勝ち進み、NBAファイナルではダラス・マーベックスを4勝1敗でくだしてセルティックスはNBA最多タイの17回目の優勝を成し遂げます。勿論ホリデーの力がチームに大きく貢献したのは言うまでもありません。
この優勝により、ジュルーは2度目のNBA王者となり、ディフェンス面だけでなくチーム全体の士気を高めるリーダーとしての役割が再びクローズアップされました。彼の安定感あるプレーは、若手選手たちにも大きな影響を与え、バックスの成功に欠かせないピースとなっていたのです。
コート外での貢献と未来への展望
ジュルー・ホリデーは、コート上での成功だけでなく、コート外での社会貢献活動にも積極的です。特に、2020年に設立した「Jrue and Lauren Holiday Social Impact Fund」は、黒人コミュニティや経済的に困難な地域社会を支援するための資金を提供しています。彼は、自らが得た成功を他者と分かち合うことを信念とし、バスケットボールを超えた影響力を持つ人物となっています。
今後も、彼はプレーヤーとして、そして一人のリーダーとして、その影響力を広げ続けるでしょう。ジュルー・ホリデーのこれからの活躍に、多くのファンが期待しています。
