その夜、サンドロ・マムケラシビリが信じられないほどのペースで得点を決めた。
サンドロ・マムケラシビリは今季サンアントニオ・スパーズの控え選手として1試合平均9.1分プレーし、1試合平均5.6得点を記録していた。そのため、ニューヨーク・ニックスとの対戦で彼に注目する人は多くなかった。しかし、身長6フィート11インチのこの左利き選手は歴史的な活躍を見せ、わずか19分間のプレーで34得点を挙げてNBA記録を樹立した。
これは、出場時間が公式統計となった 1951-52 年以降、コート上で 20 分未満の時間しかプレーしなかった選手の中では最多の合計時間である。出場時間を記録していなかったと考えると少しおかしな気がするが、負荷管理の概念は 73 年前の当時にはさほど注視するものではないものだったと言える。
「この日を長い間待ち望んでいました」とマムケラシビリは試合後に語った。「今の気持ちは説明できません。夢の中にいるような感じです。この日のために夢を叶え、祈りました。ただこの日を待ち望んでいました。ほんの少しの間、本当に幽体離脱の様な体験をしました。『本当にこんなことが起きるの?』と思いましたね」
さらに嬉しいことに、マムケラシビリは、コートサイドにラッパーのフレイバ・フレイブが座っているという、人生最高の瞬間も体験した。この人気アーティストを見ることで、スパーズの大男がいかにして効率を最大化できたかは不明だが、それが少しでも役立ったと思いたい。
試合後のシーンは素晴らしく、マムケラシビリはチームメイトたちに囲まれ、予想外の夜に心から興奮しているように見えた。
まったく予期せぬことが起こる可能性があるのが、このNBAというリーグの良さなのだ。
引用元:Sports Illustrated