ピストンズが今シーズンのNBA最高のサプライズとなった4つの理由

2024-2025

デトロイト ピストンズはポストシーズンストレートインの位置にいる。彼らはプレーインを回避し、イースタン カンファレンスの上位 6 チームのうちの 1 つとしてシーズンを終える態勢が整っているのだ。今シーズン前、デトロイトの現在の順位は誰もが予想しえないものだっただろう。

昨年、チームは14勝68敗でシーズンを終えたが、これはNBAワーストの成績であり、球団史上最悪の結果だった。チームはわずか1シーズンでモンティ・ウィリアムズHCと袂を分かったが、オーナーのトム・ゴアズがウィリアムズHCの6年間7850万ドルの高額契約の残りを肩代わりした。

現在、レギュラーシーズンの残り試合数が20試合を切ったピストンズは、昨年の勝利数を3倍にする勢いだ。ピストンズは直近17試合のうち12試合に勝利しており、今すぐ勝利するか方向転換を考える必要があるチームが多い中、期待以上の成績を収め、失うものがないままポストシーズンに臨むことになる。

ピストンズの急速な好転には、多くの要因が関係している。ピストンズがたった 1 シーズンで劇的な好転を遂げた 4 つの理由は次のとおりである。

1. ケイド・カニンガムのオールスターブレイク

ピストンズの飛躍について語るなら、ケイド・カニンガムの素晴らしさから始めなければならない。彼はまだ4年目だが、イースタンカンファレンスのトップガードに成長した。彼はデトロイトのリーダーであり、対戦相手のゲームプランにおける最大のターゲットである。

カニンガムは得点とアシストの両方でキャリアハイの平均を記録している。今年のカニンガム(9.4)よりもアシスト数が多いのは、トレイ・ヤング(11.5)とニコラ・ヨキッチ(10.4)のみ。また、平均得点も1試合25.5点。今シーズンの8回のトリプルダブルはサクラメントのドマンタス・サボニスと同数で、今年これより多いのはヨキッチ(28)とレブロン・ジェームズ(10)のみ。この向上は勝利につながり、カニンガムは2025年に初めて出場するオールスターに当然の候補となった。

カニンガムの飛躍は、ピストンズの他の若手選手たちの飛躍と時を同じくした。アーサー・トンプソンは守備陣に大混乱をもたらし、攻撃のやり方を模索している。アイザイア・スチュワートは、5年目のシーズンを迎え、リーグ最高のリムプロテクターの一人である。ジェイレン・デュレンは、カニンガムのお気に入りのロブシュートの脅威となる一方、最近は守備面で試合に影響を与えており、これが彼の最大の改善点である。ジェイデン・アイビーは、1月初旬に骨折するまで、得点力と3ポイントシュートでキャリア最高の年を過ごしていた。ロン・ホランドでさえ、新人ながら予想以上の貢献を果たしている。

カニンガムはピストンズの原動力となる存在だ。そして彼を支える選手たちもその役割を果たしてきた。

2. 新ヘッドコーチと新しい視点

デトロイトの若手スター選手たちはすでにチームに定着していたが、ピストンズは今年、コーチとフロントオフィスを一新し、組織的にゼロからスタートした。バスケットボール運営部門の社長としてトレイジャン・ラングドンを雇い、元GMのトロイ・ウィーバーはチームを去った。ウィーバーはカニンガム、スチュワート、トンプソン、アイビー、デュレンをドラフトで指名したことは評価に値するが、ラングドンはすぐにベテラン選手を獲得し、ニーズに応えて若いコアを補った。まだ早い段階だが、ラングドンはホランドも指名して、ドラフト1回目で良い結果を出したようだ。

ピストンズは、モンティ・ウィリアムズが指揮を執った悲惨なシーズンの後に、JB・ビッカースタッフを新監督として雇った。ビッカースタッフはクリーブランドで5シーズンを過ごした後、同チームから解雇された。彼はピストンズの仕事に備えており、キャバリアーズの立て直しを手助けした経験もある。デトロイトでの最初のシーズンで、ビッカースタッフは正真正銘の年間最優秀監督候補だ。皮肉なことに、クリーブランドで彼の後任となったケニー・アトキンソンが、この栄誉を争う主なライバルである。

最優秀コーチ賞かどうかはさておき、ビッカースタッフはピストンズをすぐに正しい道へと導いた。昨年、ピストンズはわずか14勝だった。ビッカースタッフのチームは、2025年を迎える前にその数字を達成した。彼らは、わずか1シーズン前の勝利数から3倍の勝利数を達成するかもしれない。確かに昨シーズンは最悪だった。しかし、NBAでこれほど急激な好転はめったに起こらない。ビッカースタッフは称賛に値する。

3. キャップスペースを利用して補完的なロースターを形成する

デトロイトは昨シーズンオフにNBAで最も多くのサラリーキャップ枠を持って臨み、それを効率的に活用したが、これは常にそうだったわけではない。ピストンズのサラリーキャップ枠のほとんどは、2016年から2018年まで在籍したトバイアス・ハリスと2年5200万ドルの契約を結び、デトロイトに復帰するために使われた。

ピストンズはフランチャイズプレーヤーのカニンガムと、来シーズン開始から適用される最長5年間の契約延長も締結した。ラングドンとフロントオフィスは、カニンガムと他の若手選手を、彼らのスキルを補うベテラン選手と組み合わせるために、さまざまな動きを見せた。

以前のシーズンでは、ピストンズはカニンガムにプレーするスペースを与えるために、ロースターにフロアスペーサーをもっと必要としていた。デトロイトでは、昨シーズンのピストンズのチーム全体の3ポイントシュート成功率は34.8%で、NBA全体で下位5位だったため、3ポイントシュートは常に問題となっていた。

スペース不足の懸念に対処するため、ラングドンはハリスを招き入れ、ダラス・マーベリックスから契約満了となるティム・ハーダウェイ・ジュニアを引き継いだ。しかし最も注目すべきは、オフシーズンにシューターのマリーク・ビーズリーと1年600万ドルで契約したことだ。

ビーズリーは若きピストンズのためにコートを開放し、キャリア最高の年を過ごしている。今シーズン、彼はNBA全体でアンソニー・エドワーズに次いで3ポイントシュート成功数最多記録保持者だ。ビーズリーは1試合あたり9.5回の3ポイントシュートのうち42.1%を成功させており、どちらも彼の9年間のキャリアの中で最高記録だ。すでにNBA屈指のマークスマンとして知られる彼は、デトロイトに来てこれまで以上に効率的に、そして大量にシュートを打っている。彼のプレーはそれだけではない。ビーズリーは3つのレベルすべてで得点に成功し、守備でもインパクトを残している。

4. チームワーク、着実な改善、そして良い雰囲気

雰囲気は必ずしも数値化できるものではない。しかし、ピストンズの試合を観れば、良い雰囲気が漂っているのが分かる。チームは一緒にプレーし、一緒に時間を過ごし、新たな成功を祝うことを習慣化しようとしている。

今年まで、ピストンズには独自のギミックがなかった。どうしてできるというのだろう? 今では、ギミックはたくさんある。試合前のダンスからビーズリーの3ポイント得点後の「シミー」、そして最も有名なのは、ピストンズのブラン​​ドが入った WWE スタイルのベルトで、勝利するたびに回される。前回の勝利後にベルトを受け取った人は、次の勝利後に新しい人にベルトを渡す。

通常、ベルトは選手間で渡される。しかし、ビッカースタッフが2月のイースタンカンファレンス月間最優秀コーチに選ばれた後、ジェイレン・デュレンがコーチに(ボクサーが授与する様な)チャンピオンベルトを授与した。

ビッカースタッフは謙虚で、コーチとしての共通言語でこの集団に語りかけた。しかし、彼がその瞬間を締めくくるチャントは、ピストンズに対する彼の思いが本物であることを示した。そして彼らは共に成功を望んでいるのだ。

「いつも一緒にいるよ」とビッカースタッフ氏が言うと、彼のチームも「いつも一緒にいるよ」と冗談を言い返した。

「ずっと一緒に」とビッカースタッフが繰り返し、選手たちも「ずっと一緒に」と続けた。

引用元:Sports Illustrated

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