今月初めボストン・セルティックスのフォワード、ジェイレン・ブラウンは科学者のビル・ナイ氏に会いたいとSNSで投稿した。そして、そのわずか20日後に実際に会うことが出来たのだ。
ブラウンは11月2日にエックスでシンプルな質問をした。「科学者のビル・ナイにはどうしたら会えるのか?」
しかし結果的に彼がやるべきことは、わずか20日後にワシントンでウィザーズと対戦することだけだったようだ。なんとナイ氏はキャピタル・ワン・アリーナでセルティックスが108対96で勝利した試合を観戦しに来ていた。
元機械エンジニアで長年科学コミュニケーターとして活躍してきたウィリアム・ナイ氏は、1993年から1999年まで放送されたテレビ番組「ビル・ナイ・ザ・サイエンス・ガイ」での活動で米国内ではよく知られている存在。彼の科学教育プログラムは、学校で子供たちに楽しく学ばせる方法としてポップカルチャーでとても有名で人気も集めていた。
ナイ氏とブラウンは金曜夜の試合後、トンネルで会っているところを目撃された。
「なぜそんなことをツイートしたのか、思い出せない」とブラウンは試合後の会見で語った。「教育体験について考えていたときに、ふと頭に浮かんだんだ。『この人に会わなきゃ』って思った。STEMとSTEAMへの彼の貢献は素晴らしいし、彼は子どものころから学ぶことを楽しいものにしてくれた。先生が今日はビル・ナイを見るよって言うと、いつもワクワクしたよ」と更に付け加えた。
信じられないかもしれないが、ブラウン(現在はオールスターに3回出場し、NBAチャンピオンでもある)はかつてバスケットボールをするには「頭が良すぎる」と言われた。2016年のNBAドラフトを前に、NBAスカウトたちは彼のコート上でのパフォーマンスに影響を与える可能性のあるものとして、彼の知性と情熱を挙げていた。
28歳の彼はNASAでインターンシップをオファーされただけでなく、MITフェローでもあり、ハーバード大学で講義を行った最年少の人物でもあり、ボストン地域の子供たちにSTEM(Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字をとった言葉で、科学技術分野を総称したもの)を紹介するプログラムを開発し、2023年にロボット工学の授業の真っ最中に、エージェントがNBA史上最大の契約を獲得したことを知ったらしい。
「私の教育の旅を助けてくれたナイさんと握手することができて、とてもうれしかった」と彼は語った。
ブラウンは金曜日の夜、シュート27本中11本を成功させて31得点を挙げ、ボストンのトップスコアラーとなり、ナイ氏との出会いに花を添えた。
引用元:Sports Illustrated